秘仏拝観のために柳谷寺へ
平安初期に延鎮僧都によって開かれたとされる京都府長岡京市にある柳谷寺。眼病に効くとされる「独鈷水(おこうずい)」が空海によって発見されたという伝説もある古い歴史をもつお寺ですが、最近では手水に花を浮かべる「花手水」でも有名になっています。

本堂の本尊である十一面千手千眼観世音菩薩像は秘仏ですが、毎月17日(ご縁日)と18日に御開帳されます。ちょうどあじさいが見頃ということもあり、秘仏拝観とあじさい鑑賞が同時にできるのはいいな~という軽い気持ちで6月17日に訪れることにしたのでした。
結論を先にいうと、もし秘仏拝観だけを目的にするのであればあじさいウイーク中は避ける方がいい、ということです。それくらい大混雑していました。

それでもあじさいを鑑賞する機会を得られたのはよかったです
あじさいウイークの混雑ぶり
バスが大混雑でなかなか乗れない
17日のご縁日には、毎月JR長岡京駅・阪急西山天王山駅と柳谷寺を結ぶバスが運行されます。柳谷寺近辺には路線バスの停留所がないので、交通手段はほぼ車一択といっても過言ではありません。
そのような中で毎月17日だけは主要駅から柳谷寺までをバスでつないでくれるのです。車が利用できない人にとってはとても貴重な機会だと思いますが、その貴重な機会とあじさいウイークが重なる6月17日の混雑っぷりは私の想像を超えていました。あんまり人がいない状態の柳谷寺しか行ったことがなかったので…。
ちなみに11月下旬~12月上旬は「紅葉ウイーク」となります。これも間違いなく混むでしょう。2026年はまだ日程がわかりませんが、2025年は17日も入っていました(11月17日)。この日にバス利用をする場合は同じように混雑すると思います。
朝8:15分に到着→乗れたのは1時間後
17日に運行するバスの時刻表は柳谷寺のHPに掲載されていますが、朝一の8:30発(JR長岡京駅)をめがけて駅に8:15くらいに到着しました。改札を出たところで駅前の様子が見え、なんだか行列しているな…と思ったら柳谷寺行きのバスに並ぶ人々だったのです。
私が到着した時点で行列はバス停1番のりばあたりまで伸びていました。約1時間後にバスに乗車した際には、行列は駅入り口階段付近まで伸びていました…。あの後バスが増便されていれば別ですが、そうでなければ9:00過ぎに駅に到着した場合はバス乗車までに約2時間を要するということになると思います。
バスは小型のものと大きめのワゴン車のようなもの2台で回しているようでした。ドライバーも不足している中あれだけの人を運ぶのはとても大変だと思います。今後もますます人手不足になることを考えると、特にあじさいウイークと紅葉ウイーク中の17日はバスで行くのは相当に時間がかかることが予想されます。
なお公式HPの時刻表ではJR長岡京駅から西山天王山駅を経由して柳谷寺へ行く形になっていました。JRの時点で満席なのでどうするんだろうと思っていたら、どうやらJR往復と阪急往復に切り替えたようでした。
またウイーク以外の17日はわかりませんが、少なくともあじさいウイーク中の17日は時刻表通りのバス運行にはなっていませんでした。とにかく大行列なので、バスが来たら乗せておろしてまた乗せて…が延々と繰り返されていました。運転手さんが本当に大変だと思います…。
バスの運賃は片道1人500円です。行きも帰りも柳谷寺側で支払います。スムーズに乗車・下車できるようになるべくお金はくずしておきましょう。
自家用車で行くなら早めに
私も普段は自家用車で行っています。柳谷寺周辺には第1から第4駐車場(ここのみ無料)があり、普段であれば問題なく停められます。
6月17日にざっと確認したところ、9:00過ぎには第1(一番お寺に近い)はすでに満車でしたが他はまだ空きがあるようでした。しかし11時過ぎには第2も満車になっていました。第3・第4は確認できていませんが、おそらく第2とほとんど同じような状況だと思います。
自家用車で行くならお寺が開く9:00めがけて来ておくと安心だと思います。
自転車・徒歩
googlemapで検索すると徒歩のルートが出てこないと思いますが、歩行者禁止というわけではないので普通に車と同じルートでお寺まで行くことは可能です(自転車も)。
ただ道はかなり狭いです(特に府道79号線)。普段ならまだしもあじさいウイーク中は道も大混雑で、離合が難しいため案内の人が交通誘導をしているくらいです。車が行き交う中で明確な歩道もない場所を歩かなければならないのでかなり危ないと思います。
そして何より時間がかかる…。西山天王山駅からでも1時間は超えるでしょう。徒歩の場合は空いている時期に長時間のウォーキングも兼ねて、という気持ちで行くことをお勧めします。
最も早く楽な方法はおそらくタクシー利用だと思います。4人以上であれば1人当たりバス利用と変わらない金額で行くことができると思います。
帰りのバスも混雑
行きが混むということは帰りも当然混みます。私は11時過ぎにお寺を出ましたが、帰りは30分くらい待ちました。あとで書きますが御朱印やアジサイ階段での撮影、上書院の見学、といったことをすべてやろうと思うととても午前中で終えることはできません。
私は秘仏拝観が主な目的だったので11時過ぎには終わりましたが、すべてを楽しみ尽くすという場合は確実に午後になります。そして帰りの人でバスもさらに大混雑…ということになるのではないでしょうか。
自分が体験したわけではないのですが、御朱印や撮影に並んでいる人がたくさんいたので、その人たちが一斉に帰る際には相当に混雑すると思われます。帰りのバスもかなり待つことを覚悟して、その日はスケジュールに余裕を持たせておくほうがいいと思います。
あじさいウイーク期間ご縁日の状況
お寺に入るまでも並ぶ
バスに乗ることができ9:00過ぎに柳谷寺に到着しました。しかしすんなり境内に入ることはできず、しばし並んで待つことになりました。


空いている時はこんな感じです


あじさいウイーク中の拝観料


柳谷寺の普段の拝観料は500円ですが、あじさいウイークを含む各ウイーク期間中は1,000円になります。そして17日のご縁日には上書院も特別公開されますが、そちらの見学も合わせると2,000円となります。
せっかくだから上書院も見学しようかなと思ったのですが、この時点で2時間待ちだったので今回は見送りました。上書院を見学する場合は見学時間が書かれた整理券のようなものを渡されます。
御朱印・撮影スポットも大混雑
柳谷寺の御朱印は普段でもかなりの種類がありますが、17日の限定御朱印というのもあります。そのため御朱印受付は大行列でした。
さらに弁天堂付近の「アジサイ階段」という撮影スポットも大行列。


案内にもあるように1時間以上はかかると思われるくらい並んでいました。受付終了時間が決まっているので、撮影を希望する場合は時間に注意してください。
あじさいはとても綺麗だった
本堂から奥の院、奥の院から阿弥陀堂への道中にさまざまなあじさいが咲いていました。




本堂から奥の院へ向かいます。画面右下では上書院見学者が待機していました。
















あじさい一つ一つをじっくり見るという機会もあまりないのでとても面白かったです。色々な種類があることがよくわかりました。名物のアンブレラスカイも目を惹きましたが、やっぱり咲いているあじさいを見ている方が楽しかったです。
本堂秘仏御開帳
本尊と両脇侍の御開帳


私の真の目的はこちらです。毎月17日・18日に御開帳される本堂の秘仏をじっくり見てきました。本尊だけではなく両脇侍も普段は見られませんが御開帳していました。
- 本尊:十一面千手千眼観世音菩薩像
- 右脇侍:勝敵毘沙門天王
- 左脇侍:将軍地蔵大菩薩
本尊の造像年代ですが、平安時代後期あたりとされているようです。胎内から古文書が発見され、鎌倉時代初期に修理をしたことがわかっているとのことです。そのため造像はそれ以前、平安時代後期あたりと考えられます。
内陣に入ることはできないためやや距離があり正確ではないかもしれませんが、実際の像も平安時代後期の特徴である丸い顔に穏やかな表情を持つ姿でした。体躯はややどっしりとしていながら迫力満点という雰囲気ではなく、仏像が放つ安定感に繋がっているようでした。見ている人を安心させてくれるような仏像だと思いました。多くの千手観音がそうであるようにおそらく手は後補だと思いますが、一番手前の両手は合掌する形をしていました。
両脇侍はさらに見えにくく、右脇侍(向かって左)が毘沙門天であることはわかったのですが左脇侍(向かって右)は不動明王かと思っていました。柳谷寺の説明によると将軍地蔵大菩薩だということです。造像年代はよくわかりませんでした。
なお本尊の裏手に回ることもできそこから光背を見ることもできました。化仏や天女などが配された光背で金色に輝いておりかなり新しいものだと思います。
参拝者が多いながらもわりとじっくりと見ることができましたが、やはり今度は各種ウイーク期間ではないご縁日(あるいは18日)に見に来たいと思いました。
百万遍大数珠繰り
10:30から本堂で行われました。誰でもその場で参加することができました。


冒頭で般若心経を唱和するのですが、フリガナ付の般若心経が配られたので暗誦していなくても問題ありません。約50人ほどの参加でしたがみんなでお経を唱えるのはやはりいいなと思いました。
高野山青葉まつりの前夜祭でも唱和しました


この大きな房部分が自分の前に来たら、数珠を額に近づけて拝礼するように教えてもらいました。


「南無阿弥陀仏」を唱えながら数珠をぐるぐる回すわけですが、結構腕が痛くなりました。正直「腕がだるい…」と雑念たっぷりで回していましたが、だんだんと感覚がマヒしてきて痛みやだるさも「そういうもんかな」とそのまま感じられるようになりました。
数珠繰りの概念ではないかもしれませんが、ひたすら念仏を唱えるとか、座禅とか、そういう何かに集中するという行為が達観という状態につながるのかもしれない…と少しだけその入口に入れたような気がしました。
数珠繰りの後、お坊さんが「一期一会」ということをお話しされていましたが、たまたまここで会った名前も知らない人たちと一緒に般若心経を唱え数珠を回すという機会がとても尊く思えました。



旅の最中のこうした時間が私は大好きです
あじさいウイーク期間中なので6月17日はやっていないそうですが、普段の17日であればこのあと説法を聞くこともできるそうです。数珠繰り自体は毎月やっているので、ウイーク外の17日にまた参加したいと思いました。
まとめ
あじさいウイーク期間のご縁日に柳谷寺に行く、という経験をまとめました。
駅前のあじさいもきれいでしたよ


想像以上の混雑で驚きましたが、参拝者のためにお寺を整備したりバスを手配してくれたりと、さまざまな人の協力なくしては実現しないことだと思います。本当にありがたい機会だと思いました。
さんざん書きましたが、大変な混雑なので時間には相当な余裕をもって参拝してください。待つこと前提の気持ちで参拝することをお勧めします。
あじさいの美しさは堪能できたので、今度は通常のご縁日に参拝して本堂の秘仏をじっくり味わいたいと思っています。
以上で終わります。

