第一番札所 那智山青岸渡寺
青岸渡寺の縁起
関西圏に住むことになったので、西国三十三所観音巡礼を始めることにしました。第一番札所は和歌山県那智勝浦町の【青岸渡寺】です。
青岸渡寺はインドの僧侶「裸形上人」が熊野に漂着し、那智の滝(那智大滝)にたどり着いたことから始まります。仁徳天皇の頃だとされています(4世紀)。
その後推古天皇の代(6世紀末~7世紀初頭)に訪れた生仏上人が、裸形上人が感得した観音像を彫り、これが現在の本尊如意輪観音像であるとされています。

三十三所観音霊場の始まり
青岸渡寺の説明では三十三所観音霊場として巡礼が始まったのは900年代末、花山法皇によるものとされています。
一方『西国観音巡礼』という書籍では、養老2年(718)に長谷寺の「徳道上人」によって始められたという伝承が紹介されています。
伝説によれば、病のために仮死状態にあった徳道上人が、閻魔大王より三十三の宝印を与えられて、仮死状態から解放され、近畿地方の寺の中に、三十三の札所を設けるが、人々は上人を信用せず、やむなく宝印を中山寺に埋めるのである。
出典:『西国観音巡礼』 平幡良雄著 満願寺教化部刊 p.8
その後宝印を掘りおこして巡礼を定着させたのが花山法皇であるとされています。徳道上人の伝説は何らかの史実を反映している可能性もありますが、花山法皇が三十三所巡礼を一般化して広めたことは間違いなさそうです。
なおこちらの『西国観音巡礼』という書籍は平成27(2015)年発行(改訂版)のものですが、新書サイズで持ち運びやすく、各寺院の観音像や縁起について知ることができます。拝観料や交通手段などの情報は古くなっており現在とは異なる部分もありますが、寺院について知るための読み物として重宝する本だと思います。
ネットでは中古品しかないようですが、青岸渡寺では普通に売っていました(1,000円)。
拝観案内
時間・料金・駐車場
拝観時間と拝観料は以下の通りです。なお拝観時間が異なるお堂や参拝時期によっても変わることがあるので、詳しい情報は公式ページを確認してください。
- 拝観時間:7:00~16:30(御朱印受付時間)
- 拝観料:無料(三重塔への入館は500円)
拝観料は無料ですが、周辺の駐車場を利用するためには料金が発生します。
青岸渡寺専用駐車場(800円)
青岸渡寺境内に最も近い場所に停められる駐車場です。県道46号線沿いから入ることができる「寺防災道路」をのぼっていきます。防災道路の入口に料金所があるのでそちらで料金を支払います。
46号線沿いの駐車場
46号線沿いには那智の滝周辺や那智山観光センターに至るまで数か所の駐車場が用意されています。すべてを確認したわけではありませんが、ざっと見た限り500円の場所が多いようでした。私は那智山観光センターの駐車場を利用しました(日曜日利用:500円)。
駐車場の混雑状況
三連休の中日(日曜日)に行きましたが、9:00頃は46号線沿いの各駐車場にまだ空きがありました。
しかし11:00頃になると満車が増えて駐車場を探す車が多く見られました。駐車場によってはスペースにゆとりがなく車道にはみ出しながら車庫入れをしなければならないところもあるので、歩行者の多い46号線ではなかなか大変だと思います。
土日祝や長期休みなど混雑が予想される日には、9:00頃までに駐車できていると安心です。繰り返しになりますが観光センターの駐車場は広いので車庫入れも難しくありません。
境内での参拝
境内には多くのお堂がありますが、西国三十三所観音霊場がテーマなので、本堂と観音像に関わる参拝を中心にまとめています。
表参道から山門へ
観光センター駐車場に車を停め、那智山表参道の石段をのぼっていきました。


猛暑ということもあり石段をのぼるのはなかなかきつかったですが、右へ行くと青岸渡寺、左に行くと那智大社という分岐点まで来ました。那智大社の一の鳥居が見えています。




山門までなんとかたどり着きました。体力や足腰に不安がある方は先に書いた青岸渡寺専用駐車場を利用してください。
本堂(如意輪堂)参拝:秘仏如意輪観音像について


推古天皇の代に生仏上人が彫った像が、現在の本尊である如意輪観音像であるとされています。伝承通りだとすれば飛鳥時代の仏像ということになり相当に古い像であることになります。
本尊は秘仏であり、通常は「御前立」の如意輪観音像のみ拝観することができます。秘仏本尊は年3回御開帳の機会があるそうです。
- 2月3日(節分会)
- 4月第2日曜日(開山祭)
- 8月17日(お盆西国三十三か所御詠歌法要)
御前立像も間近に見られる距離ではなく、本尊はさらにその後ろの厨子に安置されています。細部まで鑑賞するのは難しいかもしれません。しかし鑑賞というよりも本尊を拝むという行為がこの場では重要になると思います。今年は難しいので、来年2月か4月の機会に本尊を拝観できればいいなと思っています。
御朱印・御影札

三十三所観音霊場専用の御朱印帳を青岸渡寺で購入しました。いくつか種類がありました。こちらの御朱印帳は青岸渡寺の御朱印代も含まれており、すでに第一番札所のページに御朱印が書き込まれています。日付の欄は空白で、日付のみその場で書き入れてもらうことができます。



御影札も集めることにしました。白黒の御影札もありました
熊野那智大社・飛瀧神社(那智の滝)参拝
熊野那智大社及び飛瀧神社(那智の滝)参拝について簡単に記しておきます。
熊野那智大社


青岸渡寺と熊野那智大社は隣接しているので、簡単に行き来することができます。






熊野の地にたどり着いた神武天皇が那智の滝を祀ったことが那智山信仰の始まりであり、仁徳天皇の代に社殿が創建されたと伝わる神社です。
拝観時間:6:00~18:00頃まで(公式HPの情報・授与所は別)




那智大社の境内にある樟では木の中に入る形での「胎内くぐり」をすることができます。


ここから入ります


入口を入ってすぐの場所は狭く、体を斜めにしないと通ることができませんでした。
階段をのぼって外に出ます




説明にあるように、護摩木か絵馬に願い事を書いてそれを持った状態で胎内くぐりをします。





木の中を通る「胎内くぐり」は初めてでした
御縣彦社




神武天皇を大和まで案内したのち、熊野に帰ってきた八咫烏が石に姿を変えて休んでいるという由来を持つ神社です。
青岸渡寺(那智大社)から飛瀧神社へ


今回は三重塔から那智山裏参道に入り県道46号線を経由して、熊野那智大社別宮である飛瀧神社(那智の滝)へ向かいました。ここからでも那智の滝が見えています。








落差133mの迫力は想像以上でした…。写真では全く伝わらないと思うのでぜひ訪れてみてください。神武天皇や裸形上人が滝にたどり着き、その存在に圧倒された気持ちがよくわかりました…。
神社自体の参拝に時間制限はなし(公式ページの情報・授与所は別)


さらに那智の滝を最も間近で見られる場所があります。
御瀧拝所舞台


- 料金:300円(大人1名)
- 時間:8:00~16:00


これも迫力や神秘性が伝わらない…。やっぱり実体験に勝るものはないですね。とにかく心から圧倒されました!


舞台の近くには「御瀧本祈願所」があります。「御瀧行者」の中には空海の名も…。やっぱり来ていたのか…と納得しました。
青岸渡寺(那智大社)と飛瀧神社(那智の滝)への移動
青岸渡寺と那智大社は隣接しているので徒歩ですぐ行くことができますが、そこから飛瀧神社(那智の滝)へ行くには表参道・裏参道どちらも結構な上り下りが必要になります。
車を使う場合
青岸渡寺専用駐車場(800円)に駐車すれば、青岸渡寺及び那智大社へはすぐに行くことができます。また飛瀧神社の側にも駐車場があります(500円)。
それぞれの駐車場に停めれば表・裏参道を歩く必要はなくかなり楽に参拝できると思います。ただ混雑している場合、一方の駐車場を出てしまうと次の駐車場に停めることができない可能性もあります。
全体の混雑状況を考慮して両所を車移動して大丈夫か考えるといいかもしれません。
徒歩の場合
徒歩の場合は表参道か裏参道を往復する必要があります。表・裏参道とも石段が続いているので特に今のような猛暑の日には体力を消耗します。熱中症対策を万全にして往復することが大切です。


県道46号線沿いにはお店がたくさんあるので、適度に休憩を入れて往復するのがお勧めです。
和か屋本店のお滝もちセット


併設している茶屋で食べると焼きたてを提供してくれます。店舗で購入することもできます。参拝で疲れた体に染み渡る美味しさでした。
まとめ
西国三十三所観音霊場第一番札所青岸渡寺を中心に、熊野那智大社・飛瀧神社(那智の滝)も含めた参拝体験をまとめました。
私の祖父が生前行ってみたいと言っていた場所が「那智の滝」でした。祖父は関東在住だったので行くことが叶いませんでしたが、祖父の分まで行くことができて嬉しかったです。
秘仏本尊の姿を拝みにまた訪れたいと思います。今後も西国三十三所観音巡礼について記録を続けていきます。
以上で終わります。
関連記事
青岸渡寺の秘仏本尊と同じ、如意輪観音像を祀る観心寺についての記事です

